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座談
「他にもあります。先輩は図書室に入って来た時に、『それはこっちの台詞だ』、と確かに言いましたね?」
淳司に視線だけを向け、テープレコーダーの再生を促す。
確かに、史記はその通りの言葉を言っている。
「どうして『それはこっちの台詞だ』、と先輩は言ったんでしょうか? 考えられる理由は一つ、あります」
周りの四人は息を呑む。
握る手が緊張からか、汗ばんでいる。
「それは、私達と同じく時間の停滞を体験している先輩が、私達はもうこの場所に来ないだろう、という事を知っていたからじゃないですか?」
亜季は両肘を机に突けて、鋭い目付きで史記を睨む。
「今回はあの時点で文学部員ではない淳司はいませんでした。『こっちの台詞』という理由がそれ以外全く考えられないんですよ」
確かにその通りだった。
亜季も、ジャックも読書好きで、図書館にはしょっちゅう顔を出している。
総司と翔子もよく二人で調べ物をしている。
図書館に篭る理由として、来年度に向けての会誌の資料集めという総司の回答は、文学部員ならば容易に検討がつきそうなものなのだ。
今回、『こっちの台詞』と言われるような環境下に四人はいないのだ。
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